写真が主役のムック本を形にする、ビジュアル主導のページ構成術
写真が主役のムック本を制作するとき、難しいのは「写真を大きく見せること」だけではありません。
発注側が思い描いている雰囲気を、制作側がどこまで正確に受け取れるかが、誌面づくりの大きなポイントになります。
「ナチュラルな雰囲気で」「家全体の写真を大きく見せたい」といった要望は、方向性として十分に意味があります。
ただ、言葉だけでは、余白の取り方や写真の見せ方まで同じイメージを共有できるとは限りません。
ジー・ビーでは、写真を主役にしたムック本の制作でも、まず要望を受け取り、それを具体的な誌面イメージへ変換していきます。
ここでは、実際の制作事例をもとに、ビジュアル主導のページ構成を組み立てるときの考え方を紹介します。
記事の目次
写真が主役のムック本は、最初に「完成イメージ」をそろえる
写真を主役にしたムック本では、文章中心の本とは違い、誌面全体の印象そのものが企画の魅力に関わります。
そのため、制作の初期段階で大切なのは、発注側と制作側で「どんな誌面にしたいか」のイメージをそろえることです。
ただし、そのイメージは最初から細かく言語化されているとは限りません。
実際の依頼でも、「ナチュラルな雰囲気で」といった抽象的な要望や、「ご自宅全体を撮影した写真を大きく入れたい」といった部分的な希望からスタートしました。
こうした要望を受けたとき、制作側が独自に解釈してすぐデザインへ進むと、発注側が思い描いていた誌面とずれる可能性があります。
そこで必要になるのが、言葉だけでなく、実際の誌面を見ながらイメージを具体化する工程です。
発注時点で、レイアウトやデザインの細部まで決まっていなくても問題ありません。
むしろ、どこまで決まっていて、どこがまだ曖昧なのかを共有できれば、そこから制作側と一緒に形を探っていけます。
写真が主役のムック本では、「完成形を細かく説明できること」よりも、「どんな雰囲気にしたいか」「どの写真を目立たせたいか」といった希望をまず共有することが、誌面設計の出発点になります。
「ナチュラルな雰囲気で」を、参考誌面から具体化する
言葉だけで共有しにくいイメージは、実物を見ると一気に具体化します。
今回の事例では、素敵な家に暮らす方々を取材し、その住まいを写真中心で紹介するムック本を制作しました。
誌面に求められていたのは、ビジュアルを大きく見せながら、全体として一定の雰囲気をつくることでした。
ただ、「ナチュラル」という言葉ひとつを取っても、発注側と制作側で思い浮かべる誌面が完全に一致するとは限りません。
そこでジー・ビーでは、類書の中から希望に近そうな誌面をいくつかピックアップし、発注側へ共有しました。
この工程の目的は、参考誌面をそのまま真似することではありません。
「この写真の大きさはイメージに近い」
「この雰囲気は近い」
「こちらは少し違う」
そのように、実際の誌面を見ながら希望を絞り込むことで、抽象的だった言葉を具体的な判断へ変えていきます。
「ナチュラルな雰囲気」という言葉だけでは曖昧でも、複数の誌面を並べれば、どちらの方向が近いかを確認できます。
「家全体の写真を大きくしたい」という要望も、どの程度の大きさなら求めている見え方に近いのかを考えやすくなります。
発注側にとっても、自分の頭の中にあるイメージを一から説明するより、「これは近い」「これは違う」と選ぶほうが、希望を伝えやすい場面があります。
参考誌面は、完成形を決めつけるためのものではありません。
お互いの認識をそろえるための共通言語として使うことに意味があります。
参考誌面を共有するのは、認識のずれを減らすため
ビジュアル中心の誌面では、制作側の判断が誌面の印象に直結します。
だからこそ、デザインへ入る前の確認が重要になります。
今回、類書の誌面を共有した理由もここにあります。
口頭のイメージだけで制作を進めると、同じ言葉を使っていても、頭の中では別の誌面を想像していることがあります。
その状態のままデザインを進めれば、初稿が出た段階で「思っていたものと違う」というずれが表面化しかねません。
そのため、制作前に実際のイメージに近いものを共有し、認識の齟齬をできるだけ減らしました。
重要なのは、発注側の要望を「曖昧だから足りない」と考えないことです。
「ナチュラルな雰囲気で」といった短い言葉も、誌面づくりの方向を探るための大切な手がかりになります。
制作側は、その言葉を受け取ったうえで、どのような誌面なら近いのかを具体化していきます。
発注時に必要なのは、完成したデザイン指示ではありません。
「写真を大きく見せたい」
「全体はこういう雰囲気にしたい」
「この部分は特に重視したい」
そうした希望を伝え、参考誌面を見ながら認識をすり合わせることで、制作側はデザインに落とし込みやすくなります。
つまり、参考誌面を共有する工程は、単なる好みの確認ではなく、その後のページ構成を判断するための土台になります。
ビジュアル主導でも、ページ構成は要望を整理してから決める
写真が主役だからといって、写真を大きく置けば誌面が完成するわけではありません。
どの写真を主役にするのか。
どこを大きく見せたいのか。
全体をどのような雰囲気で統一したいのか。
こうした要望を整理したうえで、ページ構成へ落とし込む必要があります。
今回の事例では、「ご自宅全体を撮影した写真を大きく入れたい」という要望がありました。
これは、誌面の一部分に関する具体的な希望です。
その一方で、全体については「ナチュラルな雰囲気で」という、より感覚的な要望もありました。
制作では、この二つを別々に扱うのではなく、参考誌面を介してひとつの誌面イメージへまとめていきました。
部分的な要望だけを優先すると、ページ全体の雰囲気と合わなくなることがあります。
反対に、全体の雰囲気だけを重視すると、発注側が強く希望していた写真の見せ方が弱くなるかもしれません。
そこで、全体の方向性と、特に実現したいポイントの両方を確認しながら構成を考えます。
この進め方であれば、発注側が最初からすべてを細かく決める必要はありません。
「ここだけはこうしたい」という希望と、「全体はこんな感じ」というイメージがあれば、それを手がかりに具体化できます。
発注担当者にとっては、デザインの専門的な指示を用意するより、自分たちが重視しているポイントを整理して伝えることのほうが重要です。
ざっくりした希望からでも、誌面づくりは始められる
初めて写真中心のムック本を制作する場合、「どこまで決めてから相談すればよいのか」で迷うことがあります。
しかし、今回のように、発注時点では希望が大まかでも、制作を進めながら具体化できます。
ジー・ビーでは、長年の制作実績をもとに、発注側から受け取った希望をそのままデザインへ流すのではなく、参考誌面などを使ってイメージを確認しながら誌面へ落とし込んでいます。
テーマに応じて必要な専門家を手配できることや、要望に合わせて柔軟に対応できることも、制作を進めるうえでの強みです。
大切なのは、発注側と制作側のどちらか一方だけで完成形を決めることではありません。
発注側が持っている「こうしたい」という感覚と、制作側が持つ誌面づくりの経験をすり合わせることで、曖昧だったイメージを具体的なページ構成へ変えていきます。
写真が主役のムック本だからこそ、言葉だけでは伝えにくい部分を、ビジュアルそのもので確認していく。
この工程が、発注側にとっても制作側にとっても、判断しやすい誌面づくりにつながります。
まとめ|写真が主役のムック本は、イメージ共有から始める
写真が主役のムック本を制作するときは、次の3点を意識すると、発注時の要望を整理しやすくなります。
- 「ナチュラルな雰囲気」など、大まかな希望でもまず共有する
- 類書などの参考誌面を見ながら、近い・違うを確認して具体化する
- 全体の雰囲気と、「この写真を大きく見せたい」など個別の希望を分けて整理する
最初から完成形を細部まで決める必要はありません。
言葉では伝えにくいイメージほど、実際の誌面を介して確認することで、具体的なデザイン判断へ変えられます。
写真中心のムック本では、この認識合わせがページ構成を考える大切な土台になります。
写真を主役にしたムック本制作についてご相談ください
株式会社ジー・ビーでは、参考誌面を使ったイメージ共有から、写真の見せ方、ページ構成、デザインまで一貫して整理します。
「雰囲気はあるが具体的なレイアウトを説明できない」といった段階からでもご相談いただけます。
- この記事の監修者
-
株式会社G.B.
雑誌・書籍・ムックの編集・出版を中心に、
その他にも広告媒体の企画・編集・制作著作権の管理・運用、翻訳、その他上記に付帯する一切の業務を行う。
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