企画は通った。
でも、十分な制作予算がない。
書籍やムック本の制作では、そんな状況からスタートすることもあります。
予算が限られていると、「イラストを減らす」「ページの仕様を変える」といった方法が先に浮かぶかもしれません。
しかし、読者に必要な要素を削る前に、制作体制そのものを見直せる場合があります。
ジー・ビーでは、予算を抑えたい一方でイラストを入れたいというビジネス書の制作で、社内のイラストレーターとライティング体制を活用しました。
ここでは、その事例をもとに、制作費を考えるときに発注側が整理しておきたい3つのポイントを紹介します。
記事の目次
制作費を抑えるなら、まず「何を残したいか」を決める
予算が限られていると、つい「何を削れば安くなるか」から考えがちです。
しかし、最初に整理したいのは、削るものではありません。
その企画で「何を残したいのか」です。
今回の事例は、あるビジネス書の制作でした。
予算はあまり出せない一方で、「誌面にはイラストを入れたい」という希望がありました。
ここで重要なのは、予算が少ないからといって、最初からイラストを諦めなかったことです。
発注側が重視している要素が分かれば、制作側も、その条件を残したまま費用を調整できる方法がないかを考えやすくなります。
反対に、「とにかく安くしたい」とだけ伝えると、どこを優先し、どこなら調整できるのかを判断しにくくなります。
たとえば、今回なら「イラストを入れること」が希望として明確でした。
その条件があったからこそ、イラストをなくすのではなく、「誰が制作するか」という別の角度から予算を考えることができました。
工夫1|予算と一緒に「譲りたくない要素」を伝える
発注時には、予算だけでなく、企画の中で大切にしたいものを共有しておくことが重要です。
- イラストは残したい
- この部分には力を入れたい
- ここは調整してもよい
こうした優先順位が見えると、制作側は単純な削減ではなく、制作方法を変える選択肢を考えられます。
限られた予算の中で制作するほど、「何を削るか」より「何を守るか」を先に決めることが、仕様を整理する基準になります。
外注する前提を外すと、制作費の組み方が変わる
今回のビジネス書では、通常なら外部へ依頼するイラスト制作を、ジー・ビー社内のイラストレーターが担当しました。
さらに、ライティングについても社内で対応しています。
つまり、発注内容そのものを大きく変えたのではなく、「誰が作業するのか」を変えました。
書籍・ムック制作では、ライター、イラストレーター、デザイナーなど、複数の人が制作に関わります。
ただし、すべてを外部へ発注しなければならないとは限りません。
制作会社によって社内体制は異なります。
ジー・ビーには社内にデザイナーとイラストレーターが在籍しており、テーマによってはライティングも社内で対応できます。
今回の事例では、この体制を使うことで、外部のイラストレーターやライターへ依頼する場合に発生する外注部分を抑えました。
「予算が足りないのでイラストをなくす」のではなく、「イラストは残し、制作方法を変える」。
ここが、今回の判断のポイントです。
工夫2|制作会社に「社内でできること」を確認する
発注側から見ると、制作会社の中でどこまで対応できるかは分かりにくいものです。
そのため、見積もりを確認するときは、「この工程は社内で対応できますか」と聞いてみることも、選択肢を広げる方法のひとつです。
イラスト、デザイン、ライティングなどを社内で対応できる体制があれば、企画内容によっては制作方法を組み替えられます。
もちろん、どの仕事でも内製できるわけではありません。
テーマや求める表現によっては、外部の専門家へ依頼したほうが適している場合もあります。
だからこそ、「内製か外注か」を最初から固定せず、企画ごとに検討することが大切です。
発注担当者がすべての制作方法を決める必要はありません。
「この予算の中で、どんな体制なら実現できるか」と制作側へ相談することで、別の組み方が見えることがあります。
「人を減らす」ではなく、役割の組み方を変える
制作費を下げる話になると、「担当者を減らせばよい」と考えてしまいがちです。
しかし、必要な役割までなくしてしまえば、企画そのものの見せ方が変わってしまいます。
今回の事例でも、イラストという役割をなくしたわけではありません。
イラストレーターは必要でした。
変えたのは、その仕事を外部へ依頼するか、社内で担当するかという点です。
ライティングも同様です。
文章制作そのものを削るのではなく、社内で対応する形へ切り替えました。
こうして考えると、予算調整は「やる/やらない」の二択ではありません。
必要な仕事を洗い出したうえで、
- 外部へ依頼する仕事
- 社内で対応できる仕事
を分けるという考え方があります。
工夫3|予算だけでなく「制作体制」ごと相談する
発注時点で、外部スタッフの人数や依頼方法まで決める必要はありません。
むしろ、「この予算で、この企画内容を実現したい」と制作側へ共有し、体制そのものを相談したほうが整理しやすい場合があります。
制作会社側に社内スタッフがいるのか。
どの工程を社内で対応できるのか。
逆に、どこは外部の専門家へ任せるべきなのか。
それらを企画ごとに組み合わせれば、必要な要素を残しながら制作方法を調整できます。
今回のように、「予算は限られているがイラストは入れたい」という条件も、制作体制を変えることで対応できる場合があります。
発注担当者が考えるべきなのは、個々のスタッフを自分で決めることではありません。
予算、譲れない要素、調整できる要素を制作側へ伝えることです。
その情報があるほど、制作側も現実的な体制を設計しやすくなります。
予算が少ないときほど、早めに相談したほうが選択肢を残せる
制作内容がほぼ決まってから「この金額まで下げたい」となれば、調整できる範囲は限られてきます。
すでに誰へ何を依頼するかまで決まっていれば、残された方法が仕様の削減だけになることも考えられます。
一方、制作体制を決める前であれば、「どこを社内対応にするか」といった検討ができます。
今回のビジネス書でも、予算が限られていることと、イラストを入れたいという要望の両方を踏まえて、社内イラストレーターと社内ライティングを使う体制を選びました。
予算の相談は、制作内容を決めたあとの値下げ交渉だけではありません。
企画をどう実現するかを考えるための条件のひとつです。
だからこそ、「まだ仕様が固まっていないから相談できない」と考える必要はありません。
予算と希望が分かっている段階で制作側と共有すれば、その条件を前提として制作体制を考えられます。
限られた予算の中で本をつくるときに重要なのは、すべてを安くすることではありません。
どこに費用を使い、どこを違う方法でつくるか。
その組み合わせを考えることです。
まとめ|外注費を下げるなら「削る前に体制を変えられないか」を考える
書籍・ムック制作の予算が限られているときは、次の3点を発注時に整理すると、制作側と相談しやすくなります。
- 予算だけでなく、「イラストを入れたい」など譲りたくない要素を伝える
- イラストやライティングなど、制作会社内で対応できる工程がないか確認する
- すべてを外注する前提にせず、予算に合わせた制作体制そのものを相談する
今回のビジネス書では、イラストを削るのではなく、社内イラストレーターが制作を担当しました。
ライティングも社内で行うことで、外部へ依頼する範囲を調整しています。
「予算が少ないからできない」と決める前に、誰がどの仕事を担当するかを見直す。
制作体制を組み替えることも、限られた予算で本を形にする方法のひとつです。
制作予算と体制の組み方についてご相談ください
株式会社ジー・ビーでは、予算と企画上残したい要素を伺い、社内対応と外部スタッフを組み合わせながら制作体制を検討します。
仕様を削る前に、限られた予算でどのような制作方法が取れるか相談したい場合も、お問い合わせください。
- この記事の監修者
-
株式会社G.B.
雑誌・書籍・ムックの編集・出版を中心に、
その他にも広告媒体の企画・編集・制作著作権の管理・運用、翻訳、その他上記に付帯する一切の業務を行う。
- [ SNSで記事をシェアする ]