編集プロダクションにどこまで頼める?出版マーケティングと制作体制

「これまで自社で出したことのない切り口の本をつくりたい」。
その方向だけが決まり、テーマや読者、構成はまだ固まっていない段階で、相談を受けることがあります。

企画のたたき台をもとに、社内の企画会議で説明できる内容へブラッシュアップしてほしいという依頼もあります。
市場調査だけ、デザインだけといった部分的な相談も可能です。

出版の困りごとは、担当者によって異なります。
大切なのは、すべてを決めてから相談することではなく、何が決まり、どこで迷っているのかを共有することです。

本記事では、編集プロダクションへ相談できる仕事の範囲と、企画・編集・デザイン・マーケティングを連携させる意味を、株式会社ジー・ビーの実務をもとに解説します。

出版の相談は、企画が固まる前から始められる

編集プロダクションへの相談は、完成した企画書や原稿を渡すところから始まるとは限りません。

ある編集者からは、「これまで自社で出したことのない切り口の本をつくりたい」という段階で相談を受けることがあります。

新しい企画を立ち上げたいという意向はあるものの、どの市場を狙うのか、誰に向けるのか、何を中心に据えるのかは決まっていません。
こうした場合は、まず相談内容を分解し、企画の可能性を探ります。

反対に、すでに企画のたたき台があるケースもあります。

この場合は、一から企画を考えるのではありません。
読者像や企画の目的、競合との差、誌面として成立する構成などを整理し、社内の企画会議で説明しやすい形へ整えていきます。

相談の入口は一つではありません。

  • 新しい企画の切り口を考えたい
  • 企画書を社内会議に出せる形へ整えたい
  • 市場や競合を調べたい
  • 本全体の構成を考えてほしい
  • 編集や原稿制作だけを依頼したい
  • デザインだけを任せたい
  • 出版後の情報発信も相談したい

完成までを一括して依頼することもあれば、必要な工程だけを切り出すこともあります。

相談前に、すべての答えを用意する必要はありません。
現在地と迷っている点を共有できれば、必要な作業を整理できます。

企画・編集・デザイン・マーケティングを連携させる理由

図1 一つの出版企画を支える4つの機能
企画、編集、デザイン、マーケティングが連携して出版企画を支える図

書籍制作には、複数の専門領域が関わります。

企画では、本の目的や読者、テーマ、切り口を定めます。
編集では、本全体の構成や原稿を整え、制作を進行します。
デザインは、情報の優先順位を誌面上で見える形にする仕事です。

マーケティングでは、市場や競合、読者のニーズを調べ、企画の立ち位置を検討します。

それぞれは別の仕事に見えますが、実際の制作では互いに影響します。

市場調査によって想定読者が変われば、企画の方向も変わります。
読者像が変われば、文章の難易度や誌面の見せ方も見直さなければなりません。

構成案やデザインラフをつくったことで、企画の弱点が見えることもあります。

情報をページに並べてみると、テーマが広がりすぎている。
競合書との違いが伝わらない。
読者に何を持ち帰ってほしいのかが見えない。
こうした問題は、企画を頭の中で考えている段階では表面化しにくいものです。

書籍制作は、企画から編集、デザインへ一直線に進む作業ではありません。

企画、編集、デザイン、マーケティングの間を行き来しながら、内容の精度を高めます。
各担当が早い段階から目的と読者像を共有できれば、工程ごとに判断が分断されにくくなります。

株式会社ジー・ビーでは、企画、編集、デザイン、Webマーケティングの各機能が社内で連携できます。

一括して発注できることだけが、この体制の利点ではありません。
企画の変化を各担当が共有し、必要に応じて構成や見せ方を調整できることに意味があります。

出版マーケティングは、企画の判断材料を増やす

出版企画を検討していると、「この企画にニーズはあるのか」という疑問が生まれます。

ただし、市場調査をすれば、企画の成否を正確に予測できるわけではありません。

競合書が多いから難しいとも、少ないから好機だとも一概にはいえません。
類書が多い分野でも、対象読者や切り口を変えることで企画として成立する可能性があります。

反対に、競合がほとんど見つからない場合も、それだけで新しい市場だとは判断できません。
そもそも読者の需要が十分にない可能性もあるためです。

必要なのは、調査結果を並べることではありません。

  • 市場にはどのような本があるのか
  • 競合書は誰に何を訴えているのか
  • 既刊書と企画案はどこが重なっているのか
  • どこに違いをつくれるのか
  • 読者はどのような情報を求めているのか
  • 企画の中心をどこに置けば伝わるのか

こうした情報を、企画を判断するための材料へ変える必要があります。

株式会社ジー・ビーでは、市場調査、競合分析、読者ニーズの整理、企画の方向性提案まで対応しています。

また、自社で書籍を出版することもあるため、制作後の情報発信やプロモーションを見据えた提案も可能です。

もちろん、調査結果だけを根拠に「この本は売れる」と断定することはできません。

マーケティングの役割は、正解を言い当てることではなく、企画の可能性と課題を見える形にすることです。
市場の情報と制作経験を組み合わせることで、判断材料を増やします。

曖昧なテーマを、企画会議で説明できる形へ整える

図2 曖昧な相談が出版企画になるまで
曖昧な相談を市場調査、企画整理、構成へつなげる出版企画化の流れ

大きな方向性だけが決まっている 「これまでにない切り口の本をつくりたい」

市場・競合・読者を整理する 企画の可能性と課題を探る

企画の中心を決める 誰に、何を、どう届けるかを明確にする

構成と見せ方に落とし込む 内容・構成・誌面の方向性を整理する

企画会議で説明できる形にする 判断に必要な情報を企画書にまとめる

テーマが決まっていても、本の企画が決まっているとは限りません。

ある子ども向けの乗り物の本では、「乗り物を扱う」という大枠は決まっていました。
しかし、歴史を中心にするのか、現在の姿を見せるのか、未来を描くのか、企画の照準は定まっていませんでした。

どの方向にも魅力があります。

だからといって、歴史、現在、未来を同じ比重で詰め込めば、何を読む本なのかがぼやけます。
テーマが豊富であることと、企画の軸が明確であることは別です。

こうした場合、まず「誰に、何を届ける本なのか」を整理します。

想定読者は誰か。
読者はページを開いたとき、何を知りたいのか。
どの要素を主軸に置き、残りをどのように補助的に扱うのか。

中心が決まると、必要な情報の選び方も変わります。

本全体の構成をつくり、各テーマにどの程度のページを使うかを検討します。
文章で説明するページ、写真や図版を中心に見せるページ、読者の興味を引く導入ページなど、内容に応じて役割を分けていきます。

企画を形にすることは、アイデアを増やす作業だけではありません。

盛り込める情報の中から、この本で最も伝えるべきものを決める。
魅力的な要素であっても、主題から外れる場合は扱いを小さくすることがあります。

企画のたたき台を社内会議へ出せる形に整える場合も、同じ視点が必要です。

  • 企画の目的を一文で説明できるか
  • 想定読者が広がりすぎていないか
  • 読者が得られるものが明確か
  • 競合書との差が伝わるか
  • タイトルや切り口と内容が一致しているか
  • 一冊分の構成を組める材料があるか
  • 写真や図解を含め、誌面として成立するか

企画そのものに問題があるとは限りません。
企画書に載せる情報の順番が整理されておらず、魅力が伝わっていない場合もあります。

企画担当者の頭の中ではつながっていても、初めて企画書を見る人には意図が見えません。
そこで、結論、背景、読者、差別化、構成といった要素を組み直します。

企画会議に通ることを保証するものではありません。

それでも、判断する側が企画の価値と課題を理解しやすい状態へ整えることはできます。

編集プロダクションへ相談する前に整理したいこと

相談時点で、企画に関するすべての答えが出ている必要はありません。

ただし、現在の状況を共有するため、次の項目が分かると話を進めやすくなります。

  • 何をつくりたいのか
  • 誰に届けたいのか
  • 現時点で決まっていること
  • まだ決められていないこと
  • 社内で困っていること
  • 希望する納期
  • 想定している予算
  • 自社で対応できる範囲
  • 外部へ任せたい範囲

すべてを埋める必要はありません。

「テーマだけが決まっている」「企画会議用の資料にしたい」「市場性を検討したい」「デザインだけを頼みたい」といった段階でも、相談内容を切り分けられます。

費用や納期は、制作条件によって変わります。

ページ数、原稿の有無、取材や撮影の必要性、デザインの範囲、校正回数などにより、必要な作業量が異なるためです。

完成までを一括して任せたい場合もあれば、一部の工程だけを依頼したい場合もあります。

ワンストップの制作体制とは、すべてを必ずまとめて発注する仕組みではありません。
発注担当者の困りごとに応じて、必要な機能を組み合わせられる体制です。

何が未確定なのかを共有できれば、依頼範囲や進め方、見積もりに必要な条件を早い段階で整理できます。

まとめ|出版の困りごとは、決めきれない段階から相談できる

  • 企画が固まっていない段階でも、課題の整理から相談できます
  • 市場調査や競合分析を、企画を判断する材料として活用できます
  • 企画・編集・デザイン・マーケティングを、必要な範囲で組み合わせられます

出版に関する困りごとは、担当者によって異なります。

完成した企画や原稿がなくても、決まっていることと迷っていることを共有すれば、必要な作業と進め方を整理できます。

株式会社ジー・ビーでは、書籍や冊子の企画整理、市場調査、競合分析、編集、デザイン、Webマーケティングまで、相談内容に応じた範囲で対応しています。

企画がまだ固まっていない場合や、社内でどのように進めるべきか迷っている場合も、まずは現在の状況をお聞かせください。

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この記事の監修者
株式会社G.B.

株式会社G.B.

雑誌・書籍・ムックの編集・出版を中心に、
その他にも広告媒体の企画・編集・制作著作権の管理・運用、翻訳、その他上記に付帯する一切の業務を行う。

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