取材・ライティング工程を編集プロダクションがリードする進め方

取材ものの書籍やムックを企画したものの、取材対象者へのアポイント、カメラマンやライターの手配、取材当日の進行、原稿執筆までを誰がどのように動かすのか。
発注後の進め方が見えず、不安を感じる出版社の編集者は少なくありません。

取材ものは、原稿だけを依頼すれば進む仕事ではありません。
複数の関係者の予定を押さえ、取材内容とページ構成をすり合わせ、限られた制作期間の中で原稿完成へ導く必要があります。

この記事では、編集プロダクションが取材・ライティング工程をどのように設計し、誰に何を頼み、全体の手綱を握るのかを解説します。

取材ものは「誰が書くか」だけでは進まない

取材ものの制作を外注するとき、最初にライターの手配を考えるケースは多いでしょう。
しかし、実際の進行では、ライターを決めるだけでは不十分です。

取材対象者への連絡、候補日の確認、カメラマンの日程調整、取材場所の決定、質問項目の整理、当日の進行、原稿執筆、内容確認まで、複数の工程が連動しています。
一つの予定がずれると、その後の撮影や執筆にも影響が及びます。

とくに時間を要するのが、取材日程の決定です。
取材対象者、編集者、ライター、カメラマンの予定が一致しなければ、取材そのものを実施できません。
候補者が複数いる企画では、一件の調整が遅れるだけで、全体の割り振りを見直す必要も生じます。

そのため、取材ものをスムーズに進めるには、個別の作業を順番に依頼するのではなく、企画全体を見渡して人と工程を組み合わせる役割が欠かせません。
編集プロダクションが担うのは、単なる人員手配ではなく、この制作設計と進行の調整です。
取材対象者へのアポイントから原稿完成まで、どの範囲を主導してもらえるのかを確認すると、発注後の役割分担が見えやすくなります。

出版社の編集者、取材対象者、ライター、カメラマンを編集プロダクションがつなぐ取材体制

編集プロダクションは取材前に全体の進め方を設計する

短納期の案件ほど、取材前の設計が進行を左右します。

最初に整理するのは、企画の方向性と必要な役割です。
どのような人を取材するのか、写真が必要か、原稿は誰が書くのか、何本の取材をいつまでに終えるのかを確認します。
そのうえで、取材対象者、カメラマン、ライターの組み合わせを考えます。

同じ取材企画でも、必要な人材は内容によって変わります。
人物の魅力を会話から引き出すことが重要な企画と、専門的な情報を正確に整理する企画では、ライターに求める力が異なります。
写真についても、人物撮影、室内撮影、商品撮影では適したカメラマンが違います。

編集プロダクションは、企画に必要な専門性を見極め、社内外のネットワークから候補者を選びます。
すべてを社内だけで制作するのではなく、企画に合う外部のプロフェッショナルを組み合わせて体制をつくるのが一般的です。

ここで重要なのは、候補者の実績だけではありません。
短い期間で複数の取材を進める場合は、返信の速さやスケジュール調整のしやすさも大切な判断材料になります。

品質を保ちながら納期に間に合わせるには、誰が優れているかだけでなく、今回の条件で動けるかを見なければなりません。
取材前に体制と確認順序を決めておけば、発注担当者も、どの段階で何を確認すべきか判断しやすくなります。

最初に押さえるべきは取材日程である

取材ものでは、原稿の締切から逆算するだけでは進行表をつくれません。
取材対象者の予定を押さえられるかどうかで、実際の制作日程が決まるからです。

制作期間が2カ月を切る、住まいを紹介するムックを制作した際も、最初の課題は人員と日程の確保でした。
テーマに合う取材対象者に加え、カメラマンとライターを短期間でそろえる必要がありました。

この案件では、長年仕事をしているカメラマンとライターへ、まず空いている日程をヒアリングしました。
回答を一覧にし、誰がいつ動けるかを先に把握したうえで、アポイントが取れた取材対象者から順に担当者を割り当てました。

通常は、取材対象者を決めてからスタッフを探す流れを想像しがちです。
しかし、限られた期間で複数件を進める場合、その順番ではスタッフが見つからない可能性があります。

そこで、先に動ける人の日程を把握し、確定した取材へ割り当てる方法を採りました。

この進め方が機能した背景には、継続的に仕事をしている外部スタッフとの関係があります。
取材日程の決定が進行の鍵になることを理解しているため、候補日の確認に対する返信が早く、調整を進めやすいからです。

人脈が多いこと自体が強みなのではありません。
企画と納期に合わせて、どの人へ、どの順番で連絡し、どう割り当てるかまで設計できることが重要です。

必要な人数を整理し、スタッフの空き日程を確認し、取材対象者へ連絡して担当者を割り当てる手順

インタビューから原稿執筆まで手綱を握る

取材日が決まっても、そこで進行管理が終わるわけではありません。
取材当日を迎える前に、企画の狙いとページに必要な情報を関係者へ共有する必要があります。

ライターには、誰に何を聞くのかだけでなく、記事の読者、ページの役割、想定する文字量、写真との関係を伝えます。
カメラマンには、必要なカット、撮影場所、誌面での使用イメージを共有します。
取材対象者には、企画の趣旨や当日の流れを事前に案内します。

こうした情報が不足していると、取材自体は盛り上がっても、誌面に必要な内容がそろわないことがあります。
反対に、質問を細かく決めすぎると、取材対象者ならではの話を引き出しにくくなります。

企画に必要な情報を押さえつつ、現場で話を広げられる余地を残す調整が必要です。

取材後は、ライターが執筆しやすいように、原稿の方向性と確認事項を整理します。
複数の取材を並行している場合は、原稿の提出順や確認順も決めます。

すべてを同じ日に集めるのではなく、完成した原稿から確認を進めれば、後工程への作業集中を避けやすくなります。

編集プロダクションが手綱を握るとは、すべての作業を自社で抱えることではありません。
関係者がそれぞれの役割を果たせるように情報を渡し、判断が必要な場面で全体を調整することです。

発注担当者は、企画の最終判断や内容確認に集中しやすくなります。
一方、編集プロダクションは、日程、人員、取材、執筆をつなぎ、工程が止まらない状態をつくります。

発注前に確認したい依頼範囲と判断材料

編集プロダクションへ取材ものを依頼する際は、「取材から原稿までお願いします」と伝えるだけでは、範囲の認識がずれることがあります。
どこまで任せたいかを具体的に共有することが大切です。

確認したいのは、取材対象者の候補出しやアポイントも依頼するのか、発注側で候補者を決めるのかという点です。
カメラマンとライターの選定、質問項目の作成、取材同行、原稿整理、取材対象者への確認なども、案件によって分担が変わります。

あわせて、企画の決定状況も伝えます。
テーマだけが決まっているのか、ページ構成まで固まっているのかによって、編集プロダクションが最初に行う作業は異なります。

発売日や入稿日だけでなく、取材を終えたい時期、原稿確認に必要な日数、発注側の確認者も共有しておくと、現実的な工程を組みやすくなります。
短納期であるほど、確認者が多い案件や、確認に時間がかかる内容は余裕を持って設計しなければなりません。

発注先を比較するときは、料金やスタッフ数だけでなく、次の点を確認するとよいでしょう。

  • 取材対象者への連絡を誰が担うか
  • カメラマンとライターをどの基準で選ぶか
  • 取材前に何を整理するか
  • 取材後の原稿確認をどの順番で進めるか
  • 予定変更が起きた場合に誰が再調整するか

これらが明確であれば、発注担当者は、自社で準備すべきことと外部へ任せられることを整理できます。

まとめ|取材・執筆を止めないためには全体設計が重要

取材ものの制作では、取材対象者、カメラマン、ライターの日程を早い段階で押さえることが重要です。

編集プロダクションの役割は、人を集めるだけではありません。
企画に合う人材を選び、誰に何を頼むかを決め、取材から原稿完成までの工程をつなぎます。

発注前には、アポイント、スタッフ選定、取材準備、原稿執筆、内容確認のうち、どこまで任せたいかを共有しておくと、制作開始後の行き違いを減らせます。

取材・ライティングを含む書籍・ムック制作についてご相談ください

株式会社ジー・ビーでは、取材対象者へのアポイント、カメラマン・ライターの手配、取材進行、原稿執筆まで、案件に応じて制作工程を設計します。
「社内だけでは進行が難しい」「短い制作期間で取材体制を整えたい」といった場合も、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者
株式会社G.B.

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その他にも広告媒体の企画・編集・制作著作権の管理・運用、翻訳、その他上記に付帯する一切の業務を行う。

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