著作権チェックに強い編集プロダクションとは?制作時の確認ポイント

「著者から届いた原稿に、出所の分からない画像が入っている」「他社のWebサイトや書籍から文章を引用しているが、このまま掲載してよいか分からない」。
書籍制作では、こうした著作権上の確認事項が多々発生します。

確認が不十分なまま刊行すれば、権利者から使用中止や損害賠償を求められる可能性があります。
SNSなどで問題を指摘されれば、出版社や著者の信用低下にもつながります。

そこで頼りになるのが、著作権上の懸念を制作の早い段階で見つけ、出版社と確認事項を共有しながら進行できる編集プロダクションの存在です。

この記事では、数多くの書籍やムックの制作を手がけてきた株式会社ジー・ビーの編集チームが、制作現場で起こりやすい著作権上の問題と、編集プロダクションが担う確認・管理の役割を紹介します。

著作権チェックに強い編集プロダクションは、問題を早く見つける

著作権の確認は、書籍や冊子の完成直前にまとめて行う最終点検ではありません。
著者から原稿を受け取り、写真や図表を集め始めた段階から順次進めていく必要があります。

書籍には、文章だけでなく、写真、イラスト、図表、地図、グラフ、スクリーンショットなど、さまざまな素材が使われます。

そういった素材それぞれに制作者や権利者がいますので、著者から提供された素材であっても、そのまま掲載できるとは限りません。

たとえば、著者が講演資料に使っていた図表が、別の企業や研究機関の資料をもとにしてつくられていることがあります。
SNSやWeb検索で見つけた画像が、参考資料として原稿に貼り付けられている場合もあります。

原稿を受け取った時点では、それが「誌面に掲載したい素材」なのか、「執筆時に参照しただけの資料」なのか、判断できないケースもあります。

株式会社ジー・ビーでは、著者原稿や支給素材を確認し、まず出所と用途を整理します。

そのうえで、次のように対応を分けていきます。

  • そのまま掲載できるもの
  • 出典表記が必要なもの
  • 権利者への確認が必要なもの
  • 新しい図版へ作り直すもの
  • 掲載を見送るもの

大切なのは、判断に迷う素材を曖昧なまま次工程へ回さないことです。
確認が必要な箇所を早い段階で可視化できれば、出版社側でも、許諾を取るか、差し替えるか、掲載を見送るかを判断しやすくなります。

著作権上の懸念だけを切り離して考えるのではなく、確認にかかる時間や、素材の差し替えによって原稿・デザインに生じる影響まで見ながら、制作工程全体を組み立てることが大切です。

出典を明記するだけでは、引用として認められない

著者から受け取った原稿には、他者の文章やWebサイトから引用した記述が含まれていることがあります。

よくある誤解が、「出典の明記さえすれば自由に引用できる」というものです。
しかし、出典を記載することと、著作権法上の引用として利用できることは同じではありません。

引用は、自分の説明や批評、検討などを“補う”ために、他者の著作物を必要な範囲で利用する方法です。
そのため、他者の文章が本文の大部分を占めていたり、自分の説明の代わりとして長く掲載されていたりすると、引用として認められない可能性があります。

編集作業時には、主に次の点を確認します。

  • すでに公表された著作物か
  • その文章を引用する必要性があるか
  • 本文と引用部分が明確に区別されているか
  • 本文が主で、引用部分が従になっているか
  • 引用する分量が目的に照らして適切か
  • 出典が明記されているか
  • 引用部分に必要のない変更を加えていないか

株式会社ジー・ビーでは、著者原稿に含まれる引用箇所を確認し、引用の要件に照らして確認が必要な点を整理します。
判断が難しい場合は、著者や出版社と確認事項を共有し、必要に応じて表現の修正や引用範囲の見直しを行います。

出典の有無だけで判断せず、その文章をなぜ、どのように使うのかまで確認することが大切です。

写真や図版は、掲載先と利用範囲まで確認する

書籍や小冊子には、文章だけではなく写真、イラスト、図表、地図、グラフなど、視覚的な素材が入ることも多くあります。
このような素材は、文章の引用とは別に、誰が権利を持っているのか、どの範囲まで利用できるのかを確認する必要があります。

権利者から掲載許可を得たり、フォトエージェンシーから購入したりした素材でも、あらゆる媒体で自由に使えるとは限りません。
たとえば、紙の書籍への掲載は認められていても、電子書籍やWeb広告、また翻訳版などの二次利用までは許諾範囲に含まれていない場合もあるのです。

書籍制作では、本文以外にも素材を使う場面があります。

  • カバーや帯
  • 電子書籍
  • 出版社のWebサイト
  • ECサイトの商品紹介ページ
  • SNSでの告知
  • 広告や販促物
  • 重版や改訂版
  • 海外版や二次利用

写真やイラストの使用について権利者とやりとりをするときには、想定している利用範囲をもれなく共有することが大切です。

また、無料で利用できることを謳った「フリー素材」についても、利用条件の確認が欠かせません。
無料で入手できる素材だとしても、商用利用ができるとは限らないからです。
クレジット表記が必要なもの、加工に制限があるもの、使用できる媒体や見込まれる発行部数によって利用条件が変わるものもあります。

株式会社ジー・ビーの編集チームでは、制作過程での権利処理の事例を常に共有し合うことで、こうした抜け漏れを防ぎながら、安全でスピーディな制作進行を実現しています。

編集プロダクションは、確認事項と代替案を整理する

制作中に、もしも著作権上の懸念点が見つかったとき、すべての素材について許諾を取ることが最善とは限りません。
権利者の確認に時間がかかれば、制作スケジュールが崩れる可能性もありますし、使用料が高くついた場合は予算をオーバーする場合もあります。

そこでまずは、その素材が制作物にどれほど必要なのかを考えます。
企画の核となるような写真や図表なら、時間や予算を確保して権利者への確認を進めます。
一方で補足的な素材であれば、別の表現に置き換える方法もあります。

たとえば、次のような選択肢です。

  • 新たに撮影する
  • オリジナルのイラストを制作する
  • 利用条件の合うストック素材を探す
  • 元データを確認して図表を再構成する
  • 本文による説明へ変更する
  • 掲載自体を見送る

この判断は、納期、予算、読者への伝わりやすさ、素材の重要度を総合して考える必要があります。

株式会社ジー・ビーには、編集チームに加えてインハウスのデザイン部門があるため、編集とデザインが連携しながら代替案を練っていくことができます。

権利確認だけを作業として切り離すのではなく、制作物のクオリティとの兼ね合いを見定めながら対応を検討することが、編集プロダクションの役割です。

判断が難しい場合は、著者や出版社へ確認を戻します。
必要に応じて、権利者や法律の専門家への相談も検討します。

編集プロダクションが、根拠の不十分なまま「使えます」「使えません」と断定することはできません。
どの素材にどんな懸念があるのか。
誰への確認が必要なのか。
掲載できない場合には、どのような代替案があるのか。
株式会社ジー・ビーでは、こうした情報を整理し、出版社の編集者が判断しやすい状態をつくりながら制作を進めています。

まとめ|著作権管理は、制作を止めないための進行設計

著作権管理は、刊行直前にまとめて行う作業ではありません。
原稿や素材を受け取った段階から懸念を見つけ、確認や差し替えに使える時間を確保する必要があります。

原稿や素材の出所・用途を早い段階で整理し、著作権上の懸念を見逃さない

権利確認と制作進行を別々に扱わず、一冊全体の工程として設計する

使用が困難な素材があった場合、成果物の影響を見ながら代替案を検討する

著作権リスクを防ぐために必要なのは、著作権に関する知識を持っていることだけではありません。
確認が必要な箇所を見つけ、誰に何を確認し、差し替えが必要な場合に適切な代替策を提示・実行できる柔軟性です。

株式会社ジー・ビーでは、書籍やムックの企画、編集、デザイン、進行管理を行っています。
引用や転載素材が多い企画、写真・図表を数多く使用する書籍、著者原稿の整理から依頼したい案件についても、ぜひ企画の初期段階からご相談ください。

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この記事の監修者
株式会社G.B.

株式会社G.B.

雑誌・書籍・ムックの編集・出版を中心に、
その他にも広告媒体の企画・編集・制作著作権の管理・運用、翻訳、その他上記に付帯する一切の業務を行う。

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