年齢、家族構成、趣味まで決めたのに、企画の言葉が出てこない。
そんなときは、ペルソナの情報が足りないのではなく、見る場所が違っているのかもしれません。
「ターゲットを明確にするために、ペルソナを設定しましょう」
企画やマーケティングの現場で、よく聞く言葉です。
そこで、年齢、性別、職業、年収、家族構成、住んでいる場所、休日の過ごし方、よく見るSNSまで、細かなプロフィールをつくります。
名前は田中美咲さん。
38歳。
東京都在住。
夫と子どもが一人。
情報収集はInstagramとGoogle。
休日は家族でショッピングモールへ行く。
ここまで決めれば、ターゲットをかなり具体的に理解できたような気がします。
ところが、いざ企画を考え始めると、言葉が出てきません。
田中美咲さんに、何を伝えればよいのか。
どんなタイトルなら、自分の話だと思ってもらえるのか。
どの悩みから話を始めればよいのか。
細かく設定したはずなのに、コンセプトは、「忙しい女性を応援する」「家族の暮らしをもっと豊かにする」「自分らしい毎日を実現する」といった、どこかで見た言葉に戻ってしまいます。
なぜでしょうか。
理由は、ペルソナの情報量が足りないからではありません。
人物を紹介するための情報はあるのに、企画を決めるための情報がないからです。
編集プロダクションが企画を考えるとき、人物のプロフィールを増やすことからは始めません。
その人はいま、どこで立ち止まっているのか。
何に迷い、何を決められずにいるのか。
どんな出来事をきっかけに、情報を探し始めたのか。
そこを見ます。
ターゲットに刺さるコンセプトは、架空の人物を精密につくることで生まれるのではありません。
その人が、いま必要としている判断材料を見つけることから生まれます。
記事の目次
ペルソナをつくったのに、企画が決まらない
プロフィール欄を埋める。
それらしい写真を置く。
好きなブランドや、休日の過ごし方を決める。
これで、ペルソナ資料は立派に見えます。
しかし、その情報を眺めても、
「この広告では何を言えばよいのか」
「この記事は、どんな悩みから始めればよいのか」
「このサービスの価値を、一言でどう伝えればよいのか」
という判断には、なかなかつながりません。
田中美咲さんが38歳であることは、企画を考えるうえで参考にはなります。
InstagramとGoogleで情報を集めていることも、情報の届け方を考える材料になるでしょう。
けれど、それだけでは、いま何を知りたがっているのかまでは分かりません。
同じ田中美咲さんでも、置かれている場面によって、探す情報は変わります。
子どもの入学を前に、もう少し広い家へ引っ越すべきか迷っているのかもしれません。
家族で過ごす週末の予定を考えながら、子どもも大人も楽しめる場所を探しているのかもしれません。
仕事と家事が重なり、毎日の食事づくりを少し楽にできるサービスを探しているのかもしれません。
あるいは、久しぶりに自分の服を買いたいと思いながら、家族の買い物を優先し、何も選べずに帰っているのかもしれません。
名前も年齢も、家族構成も、休日の過ごし方も同じです。
それでも、いま置かれている場面が違えば、目に留まる言葉も、必要な情報も、次に取りたい行動も変わります。
必要なのは、
「38歳。
東京都在住。
夫と子どもが一人いる女性」
という人物紹介だけではありません。
たとえば、
「子どもの入学を前に住み替えを考え始めたものの、住宅費をどこまで増やしてよいか判断できずにいる人」
「週末の外出先を探しているが、子ども向けに寄せすぎると、親の方が疲れてしまうと感じている人」
「家事の負担を減らしたいが、手を抜いているように見えるサービスには抵抗がある人」
という、いま起きている場面です。
属性は、その人がどのような人なのかを説明します。
場面は、その人がなぜ検索し、なぜ迷い、どんな言葉を必要としているのかを教えてくれます。
コンセプトづくりで判断材料になるのは、プロフィールの細かさではありません。
その人がいま、何を決められずに立ち止まっているのかです。
編集プロダクションは「人物」より「場面」を見る
編集の仕事では、読者を考えるときに、必ずしも詳細な人物設定から入るわけではありません。
最初に考えるのは、
「この人は、どんな瞬間にこの記事を開くのか」
「どんな言葉を見て、自分のことだと感じるのか」
「読み終わったあと、何を判断できればよいのか」
ということです。
同じ田中美咲さんが、住宅購入について調べているとします。
「30代の子育て世帯におすすめの家づくり」
というテーマでも、一定の情報は集められます。
ただし、これだけでは、記事の入口が広すぎます。
田中さんは、まだ住宅購入を何となく考え始めただけなのか。
住宅展示場へ行き、営業担当者から見積書をもらったところなのか。
気に入った土地が見つかり、先に契約すべきか迷っているのか。
住宅ローンの返済額を見て、いったん計画を止めようとしているのか。
どの段階にいるかで、必要な情報は変わります。
見積書をもらった直後であれば、知りたいのは住宅全般の基礎知識ではないでしょう。
この金額は妥当なのか。
今後、何が追加されるのか。
その場で返事をする必要があるのか。
営業担当者に何を確認すればよいのか。
そうした、目の前の判断に必要な情報です。
「住宅購入を考える38歳女性」という人物像だけでは、ここまで見えてきません。
一方で、
「住宅展示場でもらった見積書を前に、予算内なのか判断できずにいる田中美咲さん」
と置けば、企画の入口が決まります。
記事のタイトルも変わります。
「30代女性のための家づくり」ではなく、
「住宅の見積書をもらったら、最初に見るべき5つの項目」
という方向が見えてきます。
導入文では、
「見積書の総額を見て、予算内だと思っていませんか」
と問いかけられます。
図解では、見積書の中で後から増えやすい項目を示せます。
コンセプトは、強いキャッチコピーを思いつくことではありません。
誰が、どの場面で、何を判断できるようになるのか。
それを決めることです。
検索キーワードの奥にも場面がある
検索キーワードを調べることも重要です。
ただし、キーワードを拾うだけでは、似た記事が増えていきます。
「家づくり 見積もり 見方」と検索している人は、見積書という言葉の意味を知りたいわけではありません。
- 目の前にある金額が妥当なのか。
- 追加費用が発生しないか。
- いま契約してよいのか。
そうした不安を抱えています。
「時短料理 子ども」と検索している田中さんも、単に調理時間の短いレシピを知りたいとは限りません。
- 帰宅後30分で食卓を整えたい。
- 子どもには野菜も食べてほしい。
- 毎日同じ料理にはしたくない。
- けれど、一から手づくりする余裕はない。
複数の希望がぶつかっているから、検索しています。
キーワードの奥にある場面まで見ると、記事は情報の寄せ集めではなくなります。
読者が次の判断をするためのコンテンツになります。
編集プロダクションが実践する5つの手順
では、どのようにペルソナを設定し、コンセプトへつなげればよいのでしょうか。
編集プロダクションでは、次の5つを順番に考えます。
実際に出てきた言葉を集める
最初から、きれいな課題文をつくらないことが大切です。
顧客へのインタビュー。
営業担当者が受けた相談。
問い合わせメール。
店頭やイベントで交わされた会話。
サービス利用後の感想。
購入を見送った理由。
そこには、企画の材料になる言葉があります。
住宅サービスであれば、
「何社か見積もりを取ったけれど、どこを比べればよいか分からない」
「夫は広さを優先したいと言うけれど、毎月の返済額が心配です」
「営業担当者に急かされると、断りにくくなってしまう」
といった言葉が出てくるかもしれません。
家事支援サービスであれば、
「楽をしたいわけではないけれど、平日はもう少し余裕がほしい」
「子どもには、ちゃんとした食事を出したい」
「便利そうだけれど、家族が嫌がらないか気になる」
という言葉が見つかるかもしれません。
これらは、そのまま広告コピーになるとは限りません。
けれど、何に迷っているのかは見えてきます。
ペルソナは、会議室で発明するものではありません。
顧客の言葉を集め、繰り返し現れる迷いを見つけるものです。
情報を探し始めた「きっかけ」を決める
人は、常に商品やサービスのことを考えているわけではありません。
何かが起きたときに、初めて検索や相談を始めます。
- 子どもの入学時期が近づいた
- 家賃の更新案内が届いた
- 休日に行く場所が思いつかなくなった
- 仕事が忙しくなり、夕食の準備が間に合わなくなった
- 家族から「最近、同じメニューが多い」と言われた
- 久しぶりに写真を見て、自分の服装がずっと変わっていないと気づいた
この「きっかけ」が決まると、企画の温度が上がります。
「子育て世帯向けの住宅サービス」では、まだ広い。
「子どもの入学を前に、いまの賃貸住宅に住み続けるか、家を買うか迷い始めた家族」とすれば、相談が始まった理由まで見えてきます。
コンセプトは、平常時の人物像よりも、何かが動き始めた瞬間から考えると強くなります。
本人が言葉にできていない矛盾を探す
ターゲットに刺さるコンセプトには、本人がうまく説明できていない矛盾があります。
- 家事の負担は減らしたい。
けれど、家族の食事を雑にはしたくない。 - 自分の服も買いたい。
けれど、家族の買い物を優先したい。 - 広い家に住みたい。
けれど、住宅ローンに追われたくない。 - 休日は子どもを楽しませたい。
けれど、親まで疲れ切る場所には行きたくない。
この「こうしたい。
けれど、これは避けたい」という間に、企画の種があります。
ターゲットは、何も考えていないから動けないのではありません。
どちらも捨てたくないから、決められずにいます。
そこで、
「手を抜くのではなく、平日の夕食に余裕をつくる」
「子どもだけでなく、親も休める週末の過ごし方」
「家を買えるかではなく、買ったあとも無理なく暮らせるかを考える」
といったコンセプトが生まれます。
刺さるコンセプトとは、刺激の強い言葉をつくることではありません。
ターゲットの中にある二つの本音を、同時に扱うことです。
提供内容ではなく「何が変わるか」を書く
企業側は、自社が提供するものから説明しがちです。
- 管理栄養士が監修したメニューです。
- 家族向けの豊富なプランを用意しています。
- 専門スタッフが丁寧にサポートします。
- Webから簡単に申し込めます。
どれも必要な情報です。
ただし、これは提供者側の説明です。
田中美咲さんが知りたいのは、そのサービスを使うことで、自分の暮らしがどう変わるのかです。
帰宅後に献立を考えなくてよくなる
夕食を急いでつくる時間が減る
子どもと話す時間を持てる
外食や総菜が続くことへの後ろめたさが減る
平日の食事を何とか乗り切るだけでなくなる
「何を提供するか」だけでは、機能の説明になります。
「使ったあとに何が変わるか」まで書くと、コンセプトになります。
一文にまとめ、タイトル・導入・画像で試す
最後に、考えた内容を一文にまとめます。
基本となるのは、次の形です。
誰が/どんな場面で/何を判断・実行できるようになる企画か
たとえば、
「子どもの入学を前に住み替えを考え始めた家族が、住宅費をどこまで増やせるか判断できる情報サービス」
「平日の夕食づくりに追われている共働き家庭が、手を抜いたという罪悪感を持たずに食事の負担を減らせる宅配サービス」
「週末の行き先が毎回ショッピングモールになっている家族が、親も子どもも無理なく楽しめる場所を見つけられるお出かけメディア」
となります。
一文にできたら、タイトル、導入文、画像へ展開できるかを試します。
- タイトルにできない。
- 導入文が抽象的になる。
- 画像にすると、何を描けばよいか分からない。
その場合は、まだコンセプトが広すぎます。
良いコンセプトは、企画書の中だけに存在しません。
- Webサイトの見出しになる。
- 営業担当者が説明できる。
- デザイナーが絵にできる。
- 顧客が家族や同僚に説明できる。
そこまで扱いやすくなって、初めて企画の判断基準になります。
ペルソナ設定で起きやすい3つの失敗
失敗1:プロフィールを細かくするほど理解が深まると思う
好きな雑誌、よく買うブランド、使っているスマートフォン、休日の過ごし方。
商材によっては、重要な情報です。
ただし、その情報によって企画が何も変わらないのであれば、無理に決める必要はありません。
確認したいのは、
「この情報によって、タイトル、内容、デザイン、導線の何が変わるのか」
ということです。
田中美咲さんがInstagramを使っているなら、画像を中心にした見せ方が有効かもしれません。
けれど、そこでどんな言葉に反応するかは、利用媒体だけでは決まりません。
住み替えを考えているなら、住宅費や学区の情報が気になります。
夕食づくりに困っているなら、調理時間や家族の反応が気になります。
同じInstagramでも、見ている内容は異なります。
ペルソナシートの空欄を埋めることより、企画会議で迷ったときに使えることの方が大切です。
失敗2:自社にとって都合のよい人物をつくる
自社の商品に関心がある。
価格にも納得している。
すぐに申し込んでくれる。
家族も反対しない。
そのような人物を設定すれば、企画はつくりやすく見えます。
しかし、現実の顧客は、もっと迷っています。
便利そうだが、料金が気になる。
興味はあるが、自分には必要ない気もする。
使ってみたいが、家族にどう説明すればよいか分からない。
相談したいが、強く勧められるのは避けたい。
この迷いを消してしまうと、コンテンツも広告も、すでに買う気がある人にしか届きません。
コンセプトづくりでは、理想的な顧客を描くのではなく、行動の一歩手前で止まっている人を描く必要があります。
失敗3:一人に絞ることと、市場を狭くすることを混同する
ペルソナを具体的にすると、対象が狭くなりすぎるのではないか。
そう心配されることがあります。
しかし、一人の場面を具体的に書くことと、その一人にしか売らないことは別です。
「子育て家庭の住まい探しを応援します」
と書くより、
「子どもの入学を前に、いまの家に住み続けるか、家を買うか迷っている家族へ」
と書いた方が、似た状況にいる人は自分を重ねやすくなります。
広い言葉は、多くの人を含みます。
けれど、誰も自分の話だと思わないことがあります。
具体的な言葉は、対象を限定して見えます。
けれど、同じ悩みを持つ人を連れてきます。
ペルソナを絞る目的は、市場を小さくすることではありません。
読者が、自分との接点を見つけやすくすることです。
モデル事例:採用支援サービスのコンセプトをつくり直す
ここからは、生活者向けサービスではなく、企業向けサービスの例を見ていきます。
複数の相談内容をもとに再構成したモデル事例です。
ある会社が、中小企業向けの採用支援サービスを立ち上げようとしていました。
当初のコンセプトは、
「中小企業の採用力を高める、伴走型採用ブランディング支援」
でした。
間違ってはいません。
求人原稿、採用サイト、会社案内、動画などを制作し、企業の採用を支援するサービスです。
しかし、この説明では、他社との違いが伝わりません。
「採用力」
「伴走型」
「採用ブランディング」
どれも、採用支援の分野でよく使われる言葉です。
そこで、実際に企業から出てきた相談を並べました。
求人広告を何度出しても、似たような原稿になる
社長は「人がいい会社」と言うが、候補者には伝わらない
現場社員に会社の魅力を聞くと、答えがばらばら
面接では詳しく説明できるが、応募前の人には届かない
入社後に「想像していた仕事と違う」と言われる
採用サイトをつくったが、きれいな会社紹介で終わっている
ここから見えてきたのは、企業が困っているのは、単に応募者が少ないことではないという点でした。
- 自社の何を伝えればよいのか。
- どこまで候補者に約束できるのか。
入社後に変わり得ることを、どう説明すればよいのか。
社内で共通する言葉がないため、求人原稿、採用サイト、スカウト、面接で、少しずつ違う会社が語られていました。
そこで、対象を次のように置き直しました。
求人媒体や採用サイトを見直してきたが、応募数も定着率も改善せず、自社の魅力そのものを言葉にできていないと感じ始めた中小企業の経営者・採用責任者
この人が抱える矛盾は、
「会社を魅力的に見せたい」
「けれど、入社後に話が違うとは思われたくない」
というものでした。
ここから、コンセプトを次のように変えました。
会社を盛るのではなく、入社前後で崩れない“採用の約束”をつくる編集支援
提供するものも、採用サイトや会社案内だけではありません。
職務の核
誰が何を評価するのか
入社後30日、60日、90日の見通し
固定で約束できること
状況によって変わり得ること
社長、現場、採用担当者が共通して使う言葉
これらを整理し、それを求人原稿、スカウト文面、採用LP、面接へ展開するサービスとして再設計しました。
制作物だけを見れば、以前と大きく変わっていないかもしれません。
けれど、顧客が受け取る価値は変わりました。
「採用サイトをつくる会社」ではなく、
「入社後に崩れない採用の約束をつくる会社」
として見えるようになったからです。
これが、ペルソナからコンセプトへつなげるということです。
実務に落とす最小セット
詳細なペルソナシートをつくる前に、まず次の7項目を書いてみてください。
誰か
年齢や役職だけでなく、何を大切にし、何に責任を持つ人かを書きます。
例:家族の暮らしを優先しながら、自分の負担も増やしすぎたくない田中美咲さん。
何が起きたか
その人が情報を探し始めたきっかけを書きます。
例:子どもの入学が近づき、いまの家に住み続けるか、住み替えるかを考え始めた。
何を試したか
すでに調べたことや、取り組んだことを書きます。
例:住宅情報サイトを見た。
家族で住宅展示場へ行った。
ローンのシミュレーションも試した。
それでも何が決められないか
表面的な悩みではなく、残っている判断を書きます。
例:買える金額は分かったが、無理なく暮らし続けられる金額が分からない。
何を望んでいるか
商品を買うことではなく、実現したい状態を書きます。
例:子どもの生活環境を整えながら、家族で出かけたり、自分たちの楽しみに使ったりする余裕も残したい。
何は避けたいか
その人の中にある矛盾を見つけます。
例:住まいの条件を妥協したくないが、住宅ローンを返すことだけが中心の生活にはしたくない。
何を判断できるようにするか
コンテンツやサービスを受け取ったあとの変化を書きます。
例:毎月返済できる金額ではなく、家族が無理なく暮らせる住宅予算を判断できる。
この7つが書ければ、コンセプトの土台はできます。
最後に、次の一文へまとめます。
[何が起きている人]が、
[何について]判断・行動できるようになる
[商品・サービス・コンテンツ]
田中美咲さんの例であれば、子どもの入学を前に住み替えを考え始めた家族が、住宅ローンを返せるかではなく、購入後も無理なく暮らせる予算を判断できる住宅情報サービスとなります。
一文が長くなりすぎる場合は、対象が広すぎるか、提供したい価値が複数混ざっています。
削るべきなのは、読者の具体性ではありません。
提供側が言いたいことです。
まとめ
ペルソナ設定は、架空の人物を細かくつくる作業ではありません。
年齢や家族構成、趣味、利用するSNSを決めることにも意味はあります。
ただし、それだけでは、何を伝えるべきかまでは決まりません。
コンセプトを考えるときは、次の順番で見ていきます。
属性より、検索や相談が始まった場面を見る
実際の顧客が使った言葉を集める
「こうしたい。
けれど、これは避けたい」という矛盾を探す
提供内容ではなく、顧客に何が起きるかを書く
一文、タイトル、導入文、画像へ展開できるか試す
この流れを通すことで、田中美咲さんは、資料の中にいる架空の人物ではなくなります。
- タイトルに迷ったとき。
・記事に何を書くか迷ったとき。
・どの情報を削るか迷ったとき。
・デザインの方向を決めるとき。
「田中美咲さんは、いま何を決められずにいるのか」という問いへ戻れるようになります。
コンセプトとは、格好のよいキャッチコピーではありません。
誰に何を約束し、企画の中で何を扱い、何を扱わないかを決めるものです。
だからこそ、ターゲットに刺さるコンセプトをつくるには、言葉を強くする前に、相手が立っている場所を具体的にする必要があります。
ペルソナは、人物を詳しく説明するためのものではありません。
企画を迷わせないための、編集上の判断基準です。
参考・出典
- この記事の監修者
-
株式会社G.B.
雑誌・書籍・ムックの編集・出版を中心に、
その他にも広告媒体の企画・編集・制作著作権の管理・運用、翻訳、その他上記に付帯する一切の業務を行う。
- [ SNSで記事をシェアする ]